OneNoteをやめてObsidianに移行。最初に直すべき5つの設定
「メモは貯まっているのに、AIに渡そうとすると途端に面倒くさい」——これ、地味にストレスじゃないでしょうか。
私はこれまで、仕事も趣味も含めてナレッジの蓄積先をOneNoteに一本化していました。書き味は悪くないし、画像もペタペタ貼れる。人間が読む分には何の不満もありません。ところが、最近になって「このナレッジ、AIにも読ませたいな」と思う場面が一気に増えてきました。そこで壁になったのがOneNoteの独自形式です。中身を丸ごとテキストとして取り出すのが難しく、AIに渡すたびに手作業でコピペする羽目になっていました。
人にとってもAIにとっても扱いやすい形式といえば、答えは前々からわかっていてMarkdownです。ただ、素のMarkdownはテキストファイルなので、画像の埋め込みが致命的に面倒。「スクショをCtrl+Vで貼る」というOneNoteの快適さを捨てられず、移行に踏み切れずにいました。
そんなときに知ったのが、今回の主役 Obsidian です。実体はただのMarkdownファイル群なのに、画像はコピペで貼れて、見た目もほぼWYSIWYG。「これ、OneNoteの代わりになるのでは?」と思って試したら、想像以上にあっさり移行できてしまいました。
この記事では、Obsidianのインストールから初回起動時のちょっと迷うポイント、そしてインストール直後に必ず直しておきたい5つの設定までを、実際の画面と一緒に紹介します。特に最後の設定パートは、あとから「なんでこれ先にやっとかなかったんだ……」と後悔しがちな部分なので、これから始める方はぜひ最初にやっておいてください。
今回使用した機材・ツール
今回はソフトウェアのインストールがメインなので、特別な機材は必要ありません。とはいえ、快適に使うために効いているものがいくつかあるので挙げておきます。
Obsidian(無料)
Markdownファイルをそのまま扱えるノートアプリです。データはローカルのフォルダにMarkdownファイルとして素直に置かれるだけなので、「アプリが死んだらメモも道連れ」という不安がありません。個人利用は無料で使えます。
なお、業務で使う場合の商用ライセンスについては公式が方針を明記していますので、会社で使う予定のある方は一度目を通しておくと安心です(Obsidian 公式ライセンスページ)。
Google Drive(Vaultの保存先として)
私はスマホからも同じメモを見たかったので、Vault(データの保存フォルダ)をGoogle Drive上に置きました。Obsidianは「ファイルを読み書きしているだけ」なので、クラウドストレージ側が同期してくれれば、それだけでマルチデバイス運用が成立します。ここが後述するとおり、OneNoteとの体感差がいちばん大きかった部分です。
大型ディスプレイ(Panasonic TH-55EQ2J)
55インチの4Kディスプレイをメインモニターにしています。後述する「読みやすい行長」の設定をOFFにすると、横に長いサーバーのログやコードブロックを折り返さずに一望できるので、大画面の恩恵をフルに受けられます。作業ログを読み書きする用途では、画面の広さがそのまま思考の広さになる感覚があります。
作業の手順
Step 1: 公式サイトからObsidianを入手する
まずは公式のダウンロードページから、自分の環境に合ったインストーラーを落としてきます。
- ダウンロードページ:https://obsidian.md/download

Windows / macOS / Linux はもちろん、iOS / Android版も同じページから辿れます。私は今回Windows版を入れました。
Step 2: インストールはデフォルトのままで問題なし
インストーラーを起動したら、あとはメッセージに沿って進めるだけです。特殊な選択肢は一切ありません。 インストール先を変えたい人以外は、全部デフォルトのまま「次へ」を押し続けて大丈夫でした。
このあたりは拍子抜けするくらいスムーズで、身構えていた分だけ肩透かしを食らいます。
Step 3: 実はここで一瞬止まる、初回起動時の「Vault」設定
さて、インストールが終わって初回起動すると、データの保存場所(Vault)を指定する画面が出てきます。ここが今回唯一「ん?」となったポイントでした。

「新規Vaultを作成」と「既存のフォルダを開く」の2つが並んでいるのですが、正直なところ違いがほぼありません。 どちらを選んでも、結局やることは「フォルダを指定するだけ」です。
すでにMarkdownファイルが入ったフォルダを持っている人は「開く」、これから始める人は「作成」。ただそれだけの違いなので、初めてなら素直に「作成」で問題ありません。 ここで延々と悩んで時間を溶かす必要はまったくなかったです(私は数分悩みました)。
ちなみにObsidianでいう「Vault(金庫)」は、要するにメモを入れておく親フォルダのこと。仰々しい名前がついていますが、中を覗けばただのフォルダです。
Step 4: Vaultの作成先はGoogle Driveにした
作成メニューでは、Vaultの名前と場所を指定して「作成」を押します。

ここで私が選んだのは、ローカルのドキュメントフォルダではなく Google Driveの同期フォルダ配下 です。理由は単純で、スマホからも同じメモを開きたかったから。
Obsidianはあくまで「フォルダの中のMarkdownファイルを読み書きしているだけ」なので、そのフォルダごとクラウドで同期してしまえば、それがそのまま同期機能になります。この割り切りの良さが、後々じわじわ効いてきました。
Step 5: 指定したフォルダの中身を確認する
作成が終わったら、実際にエクスプローラーで中を覗いてみます。

キャプチャにはすでに私が書いたファイルも写っていますが、インストール直後の状態では .obsidian という隠しフォルダが1つ作られるだけです。設定情報はすべてこの中に入っています。
逆に言えば、.obsidian を消してもメモ本体(.mdファイル)は無傷ですし、.md ファイルだけを別のエディタで開いても普通に読めます。「アプリに人質に取られない」構造になっているのが、OneNoteから移りたかった私にはいちばん刺さりました。
Step 6: あとは書くだけ。画像もばっちり貼れた
ここまで来たら、あとは使うだけです。実際に書いてみたのがこちら。

Markdown形式でありながら、画像はCtrl+Vのコピペで一発。 しかも貼った画像をドラッグでサイズ調整でき、縮小表示しておいてもクリックすれば拡大表示できます。これはOneNoteより明確に便利でした。
「Markdownに移行すると画像まわりが不便になる」という私の思い込みは、ここで完全に崩れました。
デフォルトのままだと後で困る、5つの設定変更
さて、ここからが本題かもしれません。Obsidianは非常に良くできたツールなのですが、デフォルト設定にいくつかイケてない箇所があります。
以下の5つを最初に変えておくだけで、後々のフォルダ整理や他システムとの連携でハマる要因をだいぶ潰せます。特に1番目は、気づかず使い続けると後で泣きます。
1. 内部リンクの自動更新をONにする(最優先)
設定場所: 「ファイルとリンク(Files and links)」
内部リンクの自動更新(Automatically update internal links):【ON】(デフォルト:OFF)
ファイル名やフォルダの場所を変更したときに、他のノートから張られていたリンクのパスを自動で一括追従・書き換えしてくれる機能です。
これがOFFのままだと、後からディレクトリ構造を整理した瞬間にVault内のリンクが盛大に破綻します。 メモが増えてから整理を始めるのが人間の常なので、被害が出る頃には手遅れです。最初にONにしておきましょう。
2. Wikiリンクをやめて、標準Markdown記法にする
設定場所: 「ファイルとリンク(Files and links)」
Wikiリンクを使用(Use [[Wikilinks]]):【OFF】(デフォルト:ON)
デフォルトの [[ファイル名]] というWikiリンク記法は、入力が楽な反面、Obsidianなど特定のツールでしか正しく解釈されません。
これをOFFにすると、標準的な [テキスト](パス) のMarkdown記法でリンクが生成されるようになります。将来的にNAS上のVaultを別のエディタで直接開いたり、自作スクリプトでパースしたりする可能性があるなら、標準Markdownに寄せておく価値は大きいです。私の運用(AIにも自作スクリプトにも読ませたい)では、ここは事実上の必須項目でした。
3. 削除したファイルをOSのゴミ箱に送る
設定場所: 「ファイルとリンク(Files and links)」
削除済みファイルの移動先(Deleted files destination):【システムのゴミ箱(System trash)】(デフォルト:Obsidianのゴミ箱)
デフォルトでは、Vault直下に作られる隠しフォルダ .trash にファイルが移動されるだけです。つまりディスク容量は1バイトも減りません。
OS側から容量を解放したり復元したりするときに直感的でなく、管理の手間が増えるので、OSのゴミ箱に直結させておくのがおすすめです。
4. 「読みやすい行長」をOFFにして画面を広く使う
設定場所: 「エディタ(Editor)」
読みやすい行長(Readable line length):【OFF】(デフォルト:ON)
ONのままだと、ウィンドウ幅をどれだけ広げてもテキストエリアが中央で固定され、左右に巨大なデッドスペースが生まれます。
大型モニターで画面を贅沢に使いたい場合、特に横に長いコードブロックやサーバーのログを折り返さずに俯瞰したい場合は、OFFが快適です。逆に「文章を集中して読み書きしたい」派の人はONのままでも良いので、ここは好みで判断してください。
5. スペルチェックをOFFにして赤波線を消す
設定場所: 「エディタ(Editor)」
スペルチェック(Spellcheck):【OFF】(デフォルト:ON)
英語辞書を基準に動くため、日本語のテキスト——特に英字混じりの専門用語や製品型番——を書くと大量の赤波線が引かれます。 視認性が著しく落ちるので、日本語メインで書くならOFF一択でした。
つまずいたポイント・注意点
正直に言うと、今回大きくハマったポイントはありませんでした。 インストールも設定も驚くほどスムーズです。それでも、これから始める方に共有しておきたい点が3つあります。
1つ目は、初回起動時の「作成」と「開く」で悩まないこと。 前述のとおり違いはほぼありません。初めてなら「作成」でOKです。ここは私が唯一手を止めた場所ですが、答えを知っていれば5秒で済みます。
2つ目は、設定変更を「あとでやる」にしないこと。 特に内部リンクの自動更新は、メモが10本しかないうちは何の実害もありません。問題が表面化するのは、100本溜まってフォルダを整理し始めたときです。被害が出てから直しても、壊れたリンクは戻ってきません。 インストール直後の、まだ何も貯まっていないタイミングで済ませてしまうのが一番安上がりです。
3つ目は、Vaultの置き場所を最初に決めること。 あとからでも移動はできますが、クラウド同期を使うなら最初からその配下に作っておくほうが素直です。私はスマホ利用を見越してGoogle Driveに置きました。ここも「あとで考える」にすると、二重管理になりがちなポイントです。
まとめ
結論から言うと、OneNoteからの移行は成功でした。
当初の目的だった「AIにナレッジを渡しやすくする」については、実体がただのMarkdownファイルなので何の問題もありません。AI側の処理も問題なく通りました。
そして予想外に良かったのが、人間側の使い勝手です。
- ノート上で画像を縮小表示していても、クリックすれば拡大表示できる
- OneNoteのAndroid版では、最後に開いたページ以外を開こうとすると同期待ちが発生し、それがしばしば失敗してストレスだった。Obsidianはファイルを同期しているだけなので、素直に開ける
- そのうえで無料で使える
正直、移行前は「Markdownにすると何かしら我慢が必要だろう」と覚悟していたのですが、蓋を開けてみればOneNoteと比べて遜色ないどころか、むしろ快適になった部分のほうが多いという結果でした。
今後は、これまでOneNoteに貯めてきた過去のナレッジをどう移行するかが課題です。あとは自宅サーバー(NAS)上にVaultを置いて、Google Driveと使い分ける構成も試してみたいところ。プラグインにもまだほとんど手を付けていないので、しばらく使い込んでみて、また続報を書きたいと思います。
「メモをAIに読ませたいけど、移行が面倒で二の足を踏んでいる」という方は、まず新しいメモだけObsidianで書き始めてみるのがおすすめです。ファイルがただのテキストなので、合わなければいつでも他へ持ち出せます——この気楽さこそが、Obsidian最大の魅力かもしれません。
